親指の恋人

親指の恋人 著:石田衣良

シェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」の現代版。
メールで知り合ったスミオとジュリアのむかう先は、心中という結末。
確かに結果的には悲劇の物語だが、もし、スミオとジュリアがこうやって表現されているのを見ると怒ると思う。
二人はこの世界では幸せになれないと思い知り、別の世界へと旅立っただけ。 そう、それは二人にとってきっと最良の選択。
全てにおいて恵まれた環境にいるスミオが死を選択するほど、二人の繋がりは強く、お互いのことを理解し合っての結論なんだろうなと思いました。

そういう人に出会えたことはとても幸せなこと。

ただ、ジュリアの不運の力が強すぎて、こんなにも報われない人がいるのかと思うと、胸が痛くなりました。
だからこそ、スミオにはジュリアの全てを救ってほしかったけど…

悲しみや苦しみや怒り、そして圧倒的な絶望感といったジュリアの負の感情を、苦心して救おうとしていたスミオは、純粋に格好よかったです。
あと、この本に使われている挿絵がとても素敵でした。

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